旅好きが冬の北海道でワーケーションした 1 週間を振り返る

Dec 23rd, 2022 travel lifehack

およそ 1 週間ワーケーションしたので振り返り.

冬の北海道へ行く時点で異常者と感じる方も多いだろうが,事実なので仕方がない.せっかくのワーケーションなので,人が少ない場所に行きたかったのである.

もくじ

状況

3 行でまとめ

仕事

筆者の仕事は主に「講義」「開発」の2つに大別される.

今回は講義がない時期を狙ってワーケーションにでかけた.開発であれば「PC」「電源」「ネットワーク」を揃えるだけで仕事を進めることが可能だ.講義がある場合は講義時間が決まっているため,移動しない日を設定するなどして対応すればよい.ただし,ネットワークが安定した環境を用意する必要があるためやや難易度が上がる.

旅の途中では通常時より作業時間が少なくなる.そのため,予め作業時間の見積もりをしたり作業量を調整したり準備が必要だ.ミーティングの時間にも制約が発生するため,事前の調整を怠ってはならない.

作業場所は空港ラウンジ,カフェ,コワーキングスペース,宿泊施設の部屋を用いた.外で作業する場合は壁を背にした席が安心(機密情報的に).wifi はセキュリティが怪しいものもあるのでよく確認し,テザリングも選択肢に入れる.

PC のバッテリー稼働時間は重要である.実際にバッテリーが持つことも重要だが,精神的な安定感がちがう.また,自宅以外の作業では外部ディスプレイはないものとして考えたほうが良いだろう.筆者は日頃から外部ディスプレイを使用せずに仕事をしているため,とくに影響なく作業することができる.

トイレに行く際には安全のため PC を持っていくこと.

旅程

概要

2022/12/14 - 2022/12/21

日程 移動 AM PM
1 日目 福岡→網走 移動 移動
2 日目 網走→釧路→根室 移動 移動→仕事
3 日目 根室→釧路→帯広 移動 移動→仕事
4 日目 帯広→札幌→旭川 仕事 移動
5 日目 旭川→稚内 仕事 移動
6 日目 稚内→札幌 移動 移動→仕事
7 日目 なし 仕事 仕事
8 日目 札幌→福岡 移動 & 仕事 移動

コツ

丸一日移動は体力を消耗するため,半日程度に留めるのが無難.「丸一日移動して夜に仕事」は結構キツい.「午前仕事→午後移動」のパターンが最も捗った.

宿と移動手段(指定券など)は予め用意しておくこと.座席指定でない列車を使用する場合は駅への入線時刻を確認し,早めの行動を心がける.また,宿のコインランドリー有無は必ず確認する.

移動中の動線はよく考えること.とくに冬は雪や寒さで外出が億劫になることも多い.目的地到着後に買い物が必要な場合は宿に入る前に済ませたほうが良いだろう.

あまりものを買わないよう心がけること.北海道の場合は札幌や新千歳空港で購入できるものも多い.途中でなにか見つけたら,「そこでしか買えないかどうか」をよく考える.前半で買うほど荷物への影響が大きくなる.ただし,食べ物や飲み物は途中で消費できるのであまり神経質になる必要はない.

交通手段が乏しい場所を目指さないほうがよい.筆者は旅慣れているため交通手段や日程の変更を躊躇なく行えるが,そうでない人も多い.不測の事態が発生した場合には計画の変更が必要になるが,慣れていない人が突発的に行うことは難しい.交通手段が豊富な場所であれば選択肢が多いため,代替案の検討がしやすいだろう.また,慣れている人と行動をともにするのもオススメだ.

旅のハイライト

道東と道北を中心に北海道内を広く移動したため,地域による気候差を体感できた.冬の北海道は色が少なく彩度が低い点が好きだ.空の青または白,雪の白,海の青,地面・木々の茶,視界に占める色が 3 色で眼や脳に優しい.普段酷使されている器官を労ることができる.

網走はすでに積雪しており,真冬の北海道の様相を呈していた.網走→釧路の釧網本線は観光路線でもあり車窓が豊かだ.網走を出発すると知床に向けてオホーツク海沿いを進む.季節によっては流氷を見られるかもしれない.知床をすぎると内陸に入り,釧路湿原を進む.北海道らしい原野が続き,開放感に浸れる区間である.タンチョウが見られる区間もある.

釧路から根室へは根室本線で向かう.途中の厚岸湖や別寒辺牛川では水面が凍結している場所とそうでない場所が混在し,幻想的な風景であった.さらに根室側の落石海岸はちょうど夕暮れ時に通過したが,水平線に沈む夕日はとても美しいので一見の価値がある.根室では雪が少ない一方,風が強く体感温度はとても低い.気温の数値とは乖離があり,体感して初めてわかるものであろう.

帯広は内陸なので底冷えする寒さである.根室と比較すると雪が多く,凍結している箇所もあり足元に注意する必要があった.帯広から札幌方面に向かう石勝線は日高山脈を貫いて道央と道東を結ぶ路線だ.途中には人が住んでいない地域も多く,まさに人跡未踏の地を征く雰囲気を味わえる.険しい道を駆け抜ける列車に乗っていると,難工事を乗り切り鉄路を通した先人への畏敬の念を抱かずにはいられない.

札幌から旭川を超え,稚内に向かう宗谷本線では積雪量が一気に増える.途中駅は雪化粧を纏い,夕暮れ時も相まって別世界のような雰囲気だ.宗谷本線は天塩川に沿って北上するが,雪の中でも変わらず流れていた.この区間は特急列車が運休したため,臨時列車(車両は各駅停車)での移動となった.到着した稚内は吹雪であり体感温度はとても低い.しかし風の冷たさでは根室に及ばず,雪もパウダースノーであるため着雪もさほど気にならない.歩道は除雪されていない部分もあり,徒歩移動のルート選びには注意が必要だろう.

稚内から札幌へは特急列車の予定だったが,前日の運休が影響したため飛行機に変更した.稚内駅から稚内空港まではバスが運行されており 30 分程度の道のりだ.北側の海沿いを走り東へ移動するが,空港周辺では積雪が少なく地面が目視できる箇所も存在した.僅かな距離の違いでこれだけ積雪量に差があることは驚きである.稚内空港からのフライトは雪の影響もなく,何事もなかったかのように新千歳空港に到着した.機材がプロペラ機であり人生初だったので良い経験となった.

札幌へ移動した後,仕事のため缶詰となってしまった点は反省である.

持ち物

必要だったもの,あってよかったものを以下に示す.全てリュック 1 個に収める(細かいものは省略).

仕事関連

仕事で使用するもの.筆者は旅の途中でなくても同じ環境で作業を行っている.円滑な作業には作業環境をできるだけ変えないことが望ましい.

品名 解説 備考
MacBookAir(M2) 開発はこれ 1 台あれば事足りる.バッテリー持ちが圧倒的なので 1 日充電しなくても問題ないことも多い.
iPad mini (第 6 世代) サブディスプレイ兼読書用端末.飛行機内は読書して過ごす派.
iPhone14pro ネットワークが覚束ない場合はテザリングする.旅の途中では写真や動画を撮りたいのでカメラ性能重視.
Air Pods Pro ミーティング用.小さいは正義.筆者の場合は飛行機内や列車内の音でスリップダメージが発生するためノイズキャンセリングも助かる.
ahamo テザリングする可能性を考慮すると通信は 20GB / 月の ahamo 一択になった.オプションで 100 GBまで増量できるので安心感もある.
Anker 521 Power Bank ACアダプタ兼バッテリー.USB type C が 2 口なのでほぼ事足りる.バッテリーは精神安定剤. リンク
Anker 511 Charger 30W の小型 AC アダプタ.圧倒的に小さいので通常の充電はこれが最適解.じつは MacBook Air も充電可. リンク

生活関連

意外と少ないもので生存できる.バッグはリュックがオススメ.片手が塞がると意外とキツいため荷物は最小限に.雪道にキャリーバッグは論外.

服は嵩張るので限界まで減らす.ポイントは以下.

品名 解説 備考
MONOLITH BACKPACK PRO S リュック.これに全部収める.ポケットが多いのでガジェット用のポーチをなくせる.飛行機内で前座席下に収納できるので座席上の棚を使用しなくてよいのも利点. リンク
長袖シャツ 1,半袖Tシャツ 2,パンツ 2,下着 3 セット,ダウンジャケット.服は洗濯前提.
防水の靴 モンベルの防水靴.雪道なので防水が望ましい.着脱が容易な点も良き. リンク
マフラー 寒さ対策.屋内では暑くて外すことも多いため,短めでコンパクトなものがオススメ.
サンブロックアンブレラ モンベルの傘.軽いは正義.晴雨兼用. リンク
サングラス 列車や飛行機の座席によっては日当たりがよいので持っておくと便利.

その他

細々したものなど.

品名 解説 備考
現金 地方では現金のみのことも多い.コインランドリーで洗濯するのである程度の小銭は必須.
北海道フリーパス 今回のメイン移動手段.6 回まで指定券取れるのは偉い.きっぷ自体はえきねっとで(指定券含め)購入でき,受け取りは駅窓口もしくは券売機.エアポート代も浮かせるのが地味に助かる. リンク
頭痛薬 頭痛持ちには必須.
体温計 流行り病があるので.
割り箸 ポテチ食べたくなったときに必要.
絆創膏 ささくれが酷く途中で購入.数枚あると安心.
エコバッグ 現地で買い物したときなどに便利.細々としたものがリュック内で散乱しないようまとめるにも便利.

トラブル対応

トラブルは旅を楽しくする.

冬の北海道は雪による交通手段への影響が大きい.ある程度の代替案を用意しておき,トラブルに遭遇したときにはすぐに別の手段に切り替えられるよう準備しておくことが大切である.

また,常に情報収集を怠らないことも大切だ.今回は JR 北海道を利用した移動が多かったため,定期的に Web サイトで運行状況の確認を行っていた.早い段階で状況を把握しておくことで十分に対応策を検討し,適切な対応を行うことができる.

情報収集はスマートフォンが中心となるため,日頃から慣れておくと良い.運休などの情報は twitter で飛び交うことも多いのでチェックしておこう.しかし,web 上で確認できない情報もあるため,現地での情報収集も合わせて行う必要がある.今回も運休情報は早い段階から web で確認できたが,臨時列車の情報は反映されるタイミングが遅かった.現地での情報収集が功を奏した一例である.

日程 トラブル 詳細
3 日目 寝過ごし未遂 釧路→帯広移動中に昼寝し,帯広駅ホーム侵入中に目を覚ます.列車が遅れたためアラームの時間を精確に設定できなかったことが原因.
5 日目 旭川→稚内行き特急の運休 車両故障による運休.正午前の時点では稚内行きを取りやめて札幌へ向かう案も考えていたが,臨時列車が設定されたため事なきを得た.臨時列車は車両数が少なく混雑が予想されるため,早めの行動を心がける.また,停車位置や使用される車両の詳細を駅員に確認すること.
6 日目 稚内→旭川行き特急の運休 上記特急が運休になった影響で連鎖運休.前日時点で可能性は考慮できたので,普通列車を使うルートを用意しておくことで対応.
6 日目 稚内→旭川行き普通列車の運休 雪の影響で運休.この運休により列車で旭川へ行く手段がなくなった.詰みに見えるが稚内→札幌は飛行機と高速バスがある.今回は雪の影響なのでバスは渋滞や混雑等のリスクが高いと判断し,オンラインで航空チケットを購入.稚内空港→新千歳空港に飛び,無事に札幌到着.初プロペラ機だったので良い経験をした.

まとめ

以上だ( `・ω・)b